基礎となる中心原理:心と体の自立と自律を育てる

6歳の時点で、自由に言語を操り、自分で自分の目標を立て、自分の力で達成できる人になることを目標とする。この年齢期において、自然科学や文字や読解教育、四則演算を教えることは不要である。0~6歳は、知覚、観察、思考、実行、継続の過程を育て、心と体の自立と自律を成し、それによって自分で考えることができる人間の素地を作る時期である。毎日の食事、睡眠、運動、遊びを通して、周囲環境、仲間、他者からの影響を受けながら自立と自律を目指す。それによって、自分の思い通りに体を動かし、他に依存することなく自分の心を知り、喜怒哀楽を分かち合い、過去や現状から未来を予想して柔軟に考え、困難に立ち向かってでも実行する。これらを当たり前のようにできる子に育てる。

 自律とはリズムが確立していることである。

ヒトはおよそ24時間周期の概日リズムに沿って自律神経系が調節されているため、毎日の習慣や活動を合理的にかつおよそ決まった時間にすることは日々の成果を最大化することに利すると考えられる。実際に、毎日決まった時間に起床することで、身体の概日リズムが安定することが知られている。食事、運動、休息、それぞれの生命活動の充実度もリズムの安定に重要と思われる。よく食べる子はよく動いてよく寝、よく動く子はよく寝てよく食べ、よく寝ればまたよく食べよく動く。身体の自律が安定することで、睡眠や休養が効果的にとりやすくなり日々の実行能力が向上することが期待される。健康な体の自律はこのように達成されると考えられる。

また、心の自律によって、自分の感情や欲求を制御し、次に訪れる困難や挑戦へ準備がしやすくなる。朝に陽気、夜に陰気となる周期性はすでに科学的にも証明済みであり、したがって朝は新しい発案や計画に適した心であり、逆に夜には反省・復習に適した心の状態であると考えられる。さらに、寝不足によって心の状態はより抑うつ的になるため、早く寝て次の日に準備することも安定的な心の自律のために不可欠であろう。

 自立とは、他に依存せず安定していることである。

体が自立するということは、自分の力で立ち、歩き、作業したり動かしたりすることである。どんなに苦しくても、すぐに他人に寄りかからず、余力が許す限り自分の力で歩き続け、成し遂げることが自立である。

心の自立にも体のそれと近いものがある。他に依存せず、自分の心で感じてそれに従い、自分の頭で合理的に考え、聞く耳を持ちつつも余計な意見に惑わされずに自己決定する。そういった自立の力をつけてやることが親や教育者の義務である。

心と身体の自立と自律を育てることを幼少期から積み重ねることで、豊かな人生のための人間力の礎を作る。毎日を自然なリズムで規則正しく生活することで、食事や睡眠の時間を確保し心身が健やかに育つ。これは、ロボットのように決められたことを決められたようにさせるわけではない。あくまでも、自分から毎日のリズムを作ることを主体として保育する。そして、幼少期を過ぎて学童期に入っても、保護者が主体的に働きかけ、家庭内において高い質のリズムを醸成し続けることで、より豊かな人生になっていく。一人で立ち、世界へと飛び立ち、いつか哲人となってかえる。